【KOF】くずはを応援し隊(さいがわも)

2009年08月11日 23:09

 俺一号。
 何でもない。


 大阪のペーパー代わりに配る予定、とメール貰った。
 びっくりした。
 ので、これ読んでくれてる人にもお裾分けするぜ。

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 一帯を包む霞を見て、草薙京はホテルの一室、広く採られた窓枠に座り、息を吐いた。
 夏の早朝である。夜間の放射冷却により冷えた空気が、水平線から漏れる太陽光に熱せられ、朝霧となるのはそう珍しい事ではない。山頂から見れば、雲海の流れ行くさまを拝めるだろう。
 目覚めるにはまだ早い環境下で、京はじっと、臨海公園を見下ろしていた。黒松の林を抜けた、砂浜より奥地に造られたそこは、芝と砂の共演する憩い場だ。崖をうまく利用した設計である。長い階段を下ればすぐ、海水浴場となる。海開き後の今、早朝から自家用車で訪れたサーファーたちが、派手な色のボードを個々で抱え、駐車場を去って行く。
「……早いな。いつもなら叩き起こしても起きん時間だが」
 同室で就寝していた大門五郎が、熊のような巨体をだるそうに起こした。いつもの起床時刻を守れなかったなど、彼にしては珍しい。昨夜のバーベキューパーティーに、誘われるまま参加した事で、体内サイクルが勝手に狂ったらしい。この時ばかりは辛そうに見えた。酒を飲んだ姿は見なかったので、二日酔いは心配ないだろう。隣のベッドに伏せている二階堂紅丸に気を遣い、声量は控えめだった。
「どうも、目が覚めちまってな。……さて、大門先生がお目覚めになったんなら、修行とやらの準備でもしますかね……」
「……こう言えば聞こえは良いか? 『時に体を休める日も必要である』。……不本意ながら、すぐには動けん」
「じゃ、今日はナシだな」
 窓枠より立とうとした京へ、大門は唸るように発した。日課を欠くことは怠惰につながる。そう言いたげな彼に、「酒呑みが休肝日作るのと同じように考えようぜ」と指摘して、京は結局、窓枠から離れた。若干嬉しそうな青年に、大門は眉間へ皺を作る以外はしなかった。
 黒革のジャケットを、荷袋の中から引き抜く。『日輪の紋』が入ったそれを羽織る青年に、大門は細い目を丸くした。既に着替えていた京を見て、まさか夕べそのままの格好で寝たのか、と彼の領地を見回す。いつもなら脱ぎ散らかされているパジャマが、畳まれ寝台に乗っていた。失礼だとは微塵にも思わず、雨でも降るかもしれん、などと胸中で呟く。
「ちょっと出てくる。飯までには戻れると思う」
「直に用意する。さっさと行ってこい」
「了解了解。あ、焼き魚ヨロシク」
「うむ」
 片手をヒラヒラ振りつつ退室した京を、静かに見送る。
 大門は、先程まで青年が座っていた場へ移動した。目下に現れる海辺の公園。松林の辺りに見知った人影を見つけ、大門は顎を撫でた。そして、京の去った方を振り返る。
「上手くやっとるようだな」
 呟いた所で、聞こえる筈はなかった。



 ホテルのエレベーターが動き出すのは、午前六時。それまでは業務用のエレベーターか、非常用階段を使うしかなかった。後者を選んだ事を、京は素直に悔いていた。窓からの景観を重視した結果、何度も折り返しては下る作業を行うハメになったのだ。紅丸のやろう。部屋の借り主に対し、恨み言を呟く。京の腕時計は、五時三十二分を指したところだ。
 セキュリティシステムの賜物で、正面玄関も午前六時にならないと、千錠が解けない作りになっている。フロントに出るなり、従業員用の出入り口を探す。たまたま居合わせた清掃員を捕まえて、京は扉の場を聞き出した。首を傾げる初老の彼は、先程外で見掛けた少女を思い出し、迎えに行くのだな、と都合よく解釈した。
 曇りガラスのドアを押すと、生ぬるい空気が流れ込んできた。白い靄が時折、煙のようにまとわり付いてきたが、構うつもりは毛頭ない。
 真っ直ぐ松林を目指す。海は穏やかで、旅に出るヨットが一艘、波の山を割って行った。靄に消えた影を目で追いつつ、京は低い階段を昇った。
 麻宮アテナは、今大会でチームメイトになった、超能力者である。同時に、世界的知名度を誇るアイドルでもある。『KOF』常連参加者の彼女を追って、ファンが押し寄せてくるのは、一種の名物となっていた。
 いつもはサイコソルジャー仲間でチームを組んでいたのに、自分の元を訪れて土下座された時は、さすがの京も驚きを隠せなかった。真剣なアテナの気迫に、二つ返事でOKを出した自分が情けなくて、あの日を振り返るなり後頭部を掻く。つい一昨日、彼女がなぜ自分の元へ来たのかを知ったが、大会は既に始まっている、今更だ。
 少女の姿を目に収めて、京は立ち止まった。
 一点を見詰めたまま、アテナは静止していた。右手を前に突きだし、左手を引いたスタイルは、試合時の彼女の構えである。肩の高さで保った両腕は、微動だしない。ホテルの窓から見下ろしたその姿が、変化した様子はないので、京は不安を抱いて彼女に近付いた。
 『声を掛けてはならない』という空気が、波の立たない湖面のように、辺りに漂っている。

―― 『気』のコントロールか。

 彼女の格闘スタイルは、超能力プラス中国拳法だ。『気』を集中するのは、当たり前の作業なのかもしれない。以前の『KOF』で着用していた、チャイナ服風の半袖にスパッツという格好でいるのも、気分は身から、といった所だろう。
「……麻宮」
 声を掛ける。しかし彼女は、姿勢を保ったまま、変わらず一点を見続けた。無視している訳ではない、『聴こえない』のだ。時間を忘れて『気』を高めているのだから、声ひとつ掛けたくらいで意識を戻す筈はない。

―― 考え事、してるのか。

 精神を集中させると同時に、アテナは『己の世界』へ閉じ籠った。下手に触れば、自己防衛でサイコボールでも見舞われるだろう。
 彼女の背後に広がる松林の、少々傾いた一本に凭れる。距離を置かなければ、京が『世界』に飲み込まれそうだった。『世界』に侵入せず、かつ声を掛ければ届くであろうこの位置に、暫く居座らなくてはならない。腕時計は、五時四十分を指している。潮風に吹かれても、前髪が乱れても、気にする素振りはアテナにはなかった。
 いつまで続ける気かねぇ? 思った京は、近付く新たな足音に、首のみをサッと動かした。
「……よぉ」
 京の警戒を解くように、その男は片手を挙げて見せた。
 チームメイトがもう一人来たのに、アテナは気付かない。眉間の皺を更に増やし、シェン・ウーは京と並んだ。黒革のズボンのポケットに両手を突っ込み、猫背気味に少女の背を見る。「ずっとあの調子」と聞かれる前に教える事で、男は現状を即座に理解した。

―― 大会中半裸で行動するジョー・東やライデンが、ホテル内ではトレーナーやジーンズというスタイルなのに、どうして君は……!

 正義漢であるキムに、酒の席で長時間説教されたのが堪えたようだ。いつもの赤紫色のジャケット下に、黒いタンクトップを着たシェンは、胸から腹にかけての違和感に苛立っている。見兼ねたリョウ・サカザキ辺りに貸してもらったのだろう。サイズが若干、体格に見合ってない。
「あのジャスティスヒーローをどうにかしやがれ。説教が無駄に長ェ」
「やなこった。あの人苦手なんだよ。酒が入った途端、みんな逃げてただろ? 周りに倣えなかったアンタが悪い」
「今晩辺りも捕まりそうな空気なんで助けて下さい。つか、お前を餌にしたらオレ助かるのか」
「助からねぇよ……二人仲良く正座コース直行だぜ……」
 挨拶代わりに愚痴をこぼし合って、二人はアテナへ視線を移した。
 男が二人、少々大きめの声量で会話しているのに、気付かない。となると、『世界』の余程深い所まで潜っているに違いなかった。
「……大体、どのくらいから居る?」
「俺が五時に起きて上から見た時には、もう構えてた」
「まさか……一晩中か?」
「……あり得るな」
 シェンは深々と息を吐くと、アテナの背に向かって歩き出した。彼女の『気』が強力な壁になっている、と分かった上で、男は近付く。
 右手をポケットから抜いた彼に、「そこに居ろ」と制される。嫌な予感がしてきた。何が起きてもその場からすぐ逃げられるよう、足の位置を少しずらして構え、京はシェンの動向を見守った。
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 …俺は全文貰ったが、気になる人はくずはの所に掛け合いに行ってやって下さい。
 うん、コレ普通に良い 家 族

 来年の大阪でまたKOF12の漫画出すらしいが、それにコレも載せるとの事で、今から期待中。
 エリザ出るってさ、やった!
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